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  • 今日も天使は降臨せず

    さくらがどうもおかしい
    体調が悪いとかそんなことではなく、
    ずっと興奮状態であちこち飛び跳ねては、何かに驚いて真上に50cmくらい飛び上がる
    そして猛ダッシュでどこかに突進
    くろがいたら飛びつき大喧嘩、もみじがいればその場で立ち止まり睨み合い

    何が気に入らないのだろう、2時間くらいしてやっと疲れたのか大人しくなり、
    おこたの中でぬくぬく丸まっている
    女の子は気がきついと時々聞くが、ウチは正にその俗説通りである
    くろはおっとりとしてずっと嫁の横で従順にいらわれるのを待っているし、
    もみじは少しでも食べ物の匂いがすると、いつの間にか僕の傍に来て、極々小さな声でミャーと催促
    そのような穏やかな時間は大概さくらによってギザギザに切り刻まれる
    さくらは眠たくなると僕のおなかの上にちょこんとのってグルグルといいながら眠る
    この時だけは誰にも負けないくらいかわいく、我が家の天使に変身する
    その姿が見たくて僕は椅子にもたれてじっと待つ

    今日の我が家には降臨しそうにないな

  • ご機嫌斜め

    さくらがでっかい声でよく泣く
    高い所に登ってみやーん
    台所の奥っちょにいってはみやーん
    お風呂の前まで小走りでいってみやーん
    今までは休日は僕のおなかの上に座り込み、
    ぐるぐるいいながらおだやかに時を過ごしていたのだが、
    その場所をもみじに奪われるようになり、遠くからもみじをにらみつけ、
    ついでに僕にも冷たい視線を浴びせる
    そして止む事のないみやーんだけが響き渡る

    さくらは一番の古株で僕が結婚する前に、嫁の実家の裏で野良ちゃん夫婦の間に生まれた子である
    生後3ヶ月くらいで僕が引き取り、それ以外の子は嫁宅がそのまま裏庭で飼うこととなった
    それから半年程僕とさくらと嫁の3人の生活が続いたが、典型的な一人っ子で
    我が家の王様、全盛期のキングカズやマラドーナ、磯貝のようなやりたい放題であった

    その後くろが来て、もみじもやってきた
    特にもみじはうちに来た時には既に重病患者で手がかかりっきりであった
    自然にさくらと接する時間が減り、代わりもみじとの時間が増えていった

    さくらはもみじの状況など理解したくも無いのだろう
    みやーん、みやーん、私はここよ、早く来なさいよ
    ここにきて背中を両手でなでなでしなさいよ
    と今日も僕を罵るのだ

  • 読書

    先週木曜日から頭が痛く、金曜日には熱が38℃くらいでてしまった
    その日は会社に行ったり、家に帰って休んだりと家と会社を行ったり来たり
    家に帰ってもゆっくりベッドで寝ようと思ったのだが、先日購入した本がまだ読みかけであったことに気づき、
    よせばいいのにその日はほとんど読書で過ごした
    高熱で耐えられない頭痛の最中に

    その憎らしい本は町田康の「猫にかまけて」

    猫にかまけて

    これは町田康の、僕の中では未だに町田町蔵だが、猫のエッセイである
    現代版吾輩は猫であるのような鋭い観察力と猫の擬人化による妙味、独特の日本語の言い回しが癖になる面白可笑しい文章であったが、
    そんな青臭いゼミのレポート風の感想は置いといて、
    壮絶な闘病記と著者の心の叫びに、不覚にも自分とオーバーラップしてしまい涙を流しそうになった
    実際、はじめは通勤電車の中で読んでいたのだが、朝9時過ぎの電車の中で嗚咽をあげそうになったり、
    夜の北新地駅で立っているときに週末でゴキゲンな赤ら顔の息の臭い人達に挟まれて、
    涙を堪えるのが辛かったりアホくさかったり
    そんなこんなで家でゆっくり読もうととっといたのだ

    家で読んでて良かった
    看病している猫が絶望的な状況に陥っている様を読むと、すぐ傍にいたもみじに抱きつき存在を確かめ、
    とうとう逝ってしまうくだりでは、いつの間にか僕の周りには3匹集合し、慰めの言葉をかけているようだ
    実際はおっさんが泣いているのが面白くて見ていたのだろうけど

    感想
    時間がある限り一緒にいよう、なくても一緒にいよう