仲良し

くろとりんは血がつながっていない

しかしりんがウチにやって来たばかりの時は
親代わりにりんやすずに、出やしないおっぱいを与える仕草をしたり
仔猫たちに寄り添って寝ていたものだ

やがて時がたち、りんのからだはくろと同じくらい大きくなり
それとともにくろはりんを大人の猫として扱うようになった
ライバル視をしているかのようでもあった

しかしまだ1歳にも満たないりんの心は、見た目より成長している訳でもなく
くろを見ると頭から突進し、くろにスリスリ愛情表現をする
その様は相撲部屋の若手の稽古のように
頭と頭を音がする程にぶつけ合う

いつもそんな真剣勝負を挑まれるくろはたまったものではなく
りんを見かけるとそそくさと逃げるようになった

そしてりんは一人になる時間が増えた

今日くろが好んで過ごす場所を覗いてみた
いつもくろが丸まっている場所だ
そこにはくろはもちろん、りんも一緒にいた

くろが仕方なく傍にいる事を許したのかどうかは解らないが
りんはとても幸せそうに寄り添っていた
あたかも母親にやっと会えた迷い子のように
親