今日会社から帰ってきたら、猫たちがお出迎えに来てくれた
いつもはさくらとくろが眠そうな顔でのそのそ歩いてきて、さくらは早く弄ってちょうだいと鳴き、
くろは嫁ではないのかと残念そうな顔ですましている
もみじはベッドの上で大きくあくびをして、また眠りにつく
だが今日はいつもと違い、もみじが玄関まで小走りでやってきて、
僕を一瞥し、玄関まで一目散に駆けていった
玄関のドアの隙間から外の空気に触れ、彼女の野性が沸々と湧き上がったのか、
動きがしばらく軽やかになり、あちらこちらを探索し、引っ掛かりのあるところで爪とぎをし、
くろが後ろをついてくると、首だけ振り返り、軽く威嚇をした
しばらくすると部屋に戻り、いつものようにごはんを催促するようにか細い声でミャーと鳴き、
僕をみつめていた
僕はいつもより長い間もみじの身体を撫で上げた
僕の存在をいつまでももみじの心の中に留めてもらえるように、
また確かにもみじは存在したと、僕自身の手で記憶するように
最近もみじは調子が良く、穏やかな時間がウチを支配している
いいコトだ
もみじは深夜皆が寝静まっている頃ベッドで踏ん張って、
かわいらしい黒い固形物をプレゼントしてくれたが