どこにいったの

今朝葬儀屋さんに家まで来てもらい、もみじを引き取ってもらった

紙製の棺とお花をもらい、その中にそれじゃないとお水を飲んでくれなかったピンクのお碗と、
好きだったカルカンのレトルトを歯が1本しか無いもみじが食べやすいように袋のままつぶしたもの、
ほとんど着てくれなかったが寒い日用の赤い服ともみじを入れる
もみじは冷たく硬くなっていて手足が棺になかなか収まらなかったが、少しだけ力を入れ手と足を曲げてなんとか入った
最後に蓋を閉めて葬儀屋さんに渡した
葬儀屋さんは厳かに挨拶をし、もみじをどこかに連れて行った

もみじが家からいなくなると、すぐに実感が沸いてきた
いつも横たわっていた床に毛布を敷いたところに、もみじがいない
元気な時僕らのベッドでのんびりしていた、もみじがいない
踏ん張りすぎてよくゲロッていたトイレの中にも、おなかがへったとゴハンを要求しに来るキッチンにも、どこにもいない
いるのは写真の中だけ

夜になり仕事から帰ると、くろが珍しく僕に寄ってきて甘えてきた
僕が撫でてもゴロゴロということが決してなかったくろがゴロゴロといった
さくらはいつものように泣いたり走り回ったりせず、ジッと部屋の中を見つめている

みんななにかを感じている
多分それは同じことだろう