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  • 伴侶

    コンパニオンアニマルという言葉がある
    日本語にすると伴侶動物、ペットを人間の伴侶と捉える考え方である
    IAHAIOという機関の調査によると、
    飼い主が落ち込んだり暗く塞いでいる時に、猫は飼い主のそばから離れない傾向があるらしい
    また猫と飼い主の繋がりがより深いと、猫は口やお腹を飼い主に擦り付けて親愛を示す
    このような行為は人の情緒的な安定に繋がり、ストレスを軽減し高血圧や心臓病にも効果があるとされている
    まあ話半分としても、心が癒されるのは理解できる

    もみじはよく僕のお腹の上に乗り、僕の手や口に彼女自身の口を擦り付けてきた
    すりすりと気持ちよさそうにしていた
    歯や歯茎が悪かったので、そうしたら気持ちいいのだろうと思っていたが、
    もしかすると僕の様子を伺い、こいつあまり元気が無いなと思い、そういった行動をしてくれていたのかもしれない

    さくらも軽く泣きながら僕のお腹に飛び乗ってくることがある
    たださくらの場合、眠たいのか僕の柔らかなお腹に頭を食い込ませ、グルグルといいながら眼を閉じて座り込む
    あまり僕を癒そうなどとは考えていないだろう

    さくらがもみじの域に達するのは10年早い
    単純にそのくらい年も離れているし、人生経験も10年以上野良ちゃんだったものと、
    生まれてすぐ我が家にやってきたものとは違うだろう

    さくらにはもみじになって欲しいと思わない
    今のままわがままでもいい、僕を癒そうだなんて思わなくてもいい
    元気でずっと一緒にいてくれたら
    もちろん、くろも

  • どこにいったの

    今朝葬儀屋さんに家まで来てもらい、もみじを引き取ってもらった

    紙製の棺とお花をもらい、その中にそれじゃないとお水を飲んでくれなかったピンクのお碗と、
    好きだったカルカンのレトルトを歯が1本しか無いもみじが食べやすいように袋のままつぶしたもの、
    ほとんど着てくれなかったが寒い日用の赤い服ともみじを入れる
    もみじは冷たく硬くなっていて手足が棺になかなか収まらなかったが、少しだけ力を入れ手と足を曲げてなんとか入った
    最後に蓋を閉めて葬儀屋さんに渡した
    葬儀屋さんは厳かに挨拶をし、もみじをどこかに連れて行った

    もみじが家からいなくなると、すぐに実感が沸いてきた
    いつも横たわっていた床に毛布を敷いたところに、もみじがいない
    元気な時僕らのベッドでのんびりしていた、もみじがいない
    踏ん張りすぎてよくゲロッていたトイレの中にも、おなかがへったとゴハンを要求しに来るキッチンにも、どこにもいない
    いるのは写真の中だけ

    夜になり仕事から帰ると、くろが珍しく僕に寄ってきて甘えてきた
    僕が撫でてもゴロゴロということが決してなかったくろがゴロゴロといった
    さくらはいつものように泣いたり走り回ったりせず、ジッと部屋の中を見つめている

    みんななにかを感じている
    多分それは同じことだろう

  • もみじは今夜、天国に行った

    最後はすこしつらそうだったが、嫁と僕が見ている中、息を引き取った
    苦しみから解放されて、もみじはやっとゆっくり眠ることができるだろう

    僕はもみじと出会えて幸せだったよ
    ありがとうね、もみじ
    いつかまた会えるから、待っててね

    もみじ