田舎の夜はとてつもなく暇で
なにか本でも読もうと書店にふらっと入り
なんとなく手に取ったのが
ベルンハルト・シュリンクの朗読者である
全く何の前知識もなしに読み始めると
2時間くらいでたいらげてしまった
内容は15歳の少年「坊や」と
36歳の女性「ハンナ」の短くも激しい恋の物語
と思いきや、ホロコーストも絡みつき
軽い気持ちで読み始めたのに
濃厚な時間を過ごしたように感じた
ただベタベタを期待した人には少し素っ気無いかも
「ハンナ」の過去に対する贖罪、そして清算
その「ハンナ」に恋焦がれながら朗読という行為で
過去と対峙することを避ける「坊や」
過去と向きあうことは、なにかとしんどいものだ
しかしそれでも向き合えば
良きにつれ悪しきにつれ、何かが変わる
もし過去から逃げても、何かが変わる
そして結局何も変わらない日常が続いていく
なんだか言ってることがよくわからないが
これは戦争小説の皮を被った人生訓である